このコーナーでは貴方のレポートを募集しています。又、もし貴方のサイトで気合の入ったレポートを掲載しているのならこちらからリンクさせて下さい。
楽器に限らず音楽・芸術の評価というものは所詮個々の主観でしかないのでどんどん無責任なレビューを送って下さい。別にテレキャス限定じゃないですよ。中古ギターを買う際の参考にもなるので古いギターも歓迎します。ただしちょっと上からっぽくて失礼だとは思うのですが、当サイトのレベルをKEEPするために 以下のようなガイドラインがありますのでご理解のほどよろしくお願いいたします。
投稿ルール:
(1) | 初心者禁止 |
(2) | ギターはテレキャスターに限定しませんが、単なる「俺のギター自慢」じゃダメ |
(3) | 買ったばかりの楽器レポートはダメ 最低でも一ヶ月は弾き込んでから評価して下さい。買ったばかりだと嬉しくてやたら良く思えたり、逆に、その楽器のクセ・うまい付き合い方がわからなくて過小評価してしまったりするからです。 |
ジャン さん
TL52-80TX Fender Japan
本物に触れた事がないので比較はできませんがなかなかいいです。3プライのボディだと思うのですがパッと見た限りでは継ぎ目は全く分かりません。最近はUSAのモデルも塗装が厚めに感じられるのでルックスでは引けをとりません。
肝心の音ですが、生鳴りは値段相応の感じなのですが。マウントされているテキサス・スペシャル(PU)が非常に良いので良好です。だいたいこの手の「USAピックアップ搭載」をうたっているモデルはたいがいモデル名がない『ディマジオデザイン』とか、『ダンカンSSL-1』が『ダンカンSSL-5』になっていったりして(マジです。俺WASHBURNにやられました。)音もそのようなあやしげな感じになっていたりする事が多いのですがこれは違います。本当にテキサス・スペシャルが乗っています。(確証はないけどね)
音はフェンダーのオーソドックスな音に中音域をプラスしたような感じです。「フェンダーのシングルは好きだけど低音域が薄くて使いにくい」と感じている人にはベストチョイスになるかも知れません。出力も高めで音の伸びもいいですので歪みも良いです。
フロントピックアップは少し音量が足りない気もしますが、PUを弦に近付ける事で解消できますので許容範囲内でしょう。高音域はさわやかになっていて、好き嫌いが別れるところだと思います。耳に痛い感じが欲しい人は食い足りない印象を持つと思います。あと些細な事ですがミックスのときにハムキャンセルされるのは評価できます。
結論としてはオリジナルと比べると音色も違うしクオリティも落ちますが、パンクロックみたいに歪ませて一本調子で弾くのなら遜色はないと思います。
ハウリングやノイズにも強いのでスタックアンプなんかで大音量で弾く場合はこっちの方がいいかも知れません。ただクリーントーンに物足りなさを感じるのも事実ですね。
ヤノカズヒロさん
ヤノさんのカスタム・ショップ製アメリカン・クラッシックの改造レポート。改造担当はTemjinで、当サイトにアップする際にちゃんと彼等から許可をいただいてくれました。プロの仕業を垣間見ることができます。
domo.ヤノです。
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MELL さん
USA 52RE (1986年製)
トップとバックを見る限り、木目と塗装の引けから3ピースです。(でもラミネートかも知れません)当時から木材不足は深刻で1年間ぐらい品切れ状態で待たされた記憶が有ります。おかげでレートの関係で定価が下がり、安く買えましたが…。自分のもご多分にもれず『およそテレキャスっぽく無い音だ!』と人に言われています。フロントは使いものになりません。
改造と言うほどのものでは有りませんが、ブリッジをシャーラーの6WAYに替え、ボディの鳴りが増えました。次にピックアップをダンカンのビンテージタイプに替え、また少し音の輪郭が出てきたみたいです。山野楽器で見つけた『FATHEAD』なるブラス板をヘッド裏に付けましたが、サスティーンが増えたかどうかは疑問です。気持ちの問題程度でした。大きく変ったのは、ヒューマンギアから出てるWEのOldケーブルセットでした(ケーブルと云うよりリード線と云うほうが正しいくらい細い)。ピックアップの鳩目からプラグジャックまでの間のビニールケーブルをすべて交換しました。変な低音が消え、音が前に出るようになりました。一歩、ロイ・ブキャナンに近づいた感じです。とりあえず今のままで、満足しています。
Mell
佐東さん
どうも。先日ちょっとした細工を施したので報告します。
ボリュームポットを絞ると若干ハイが落ちてしまい、絞った音はボソボソしててあまりいい音ではないので、音量調節などはあまりやってませんでした。ところが最近知ったことには「70年代のテレキャスターには1MΩのポットが採用されてて、そのハイ落ちを防ぐためにボリュームポットにもキャパシターをつけて常にハイパスしていた」らしいのです。で、これはいいと思ったのでやってみました。なるほど確かに、ボリュームを絞ってもハイが落ちないばかりか、逆に音の邪魔な贅肉が取れたかんじで、リズムと単音の使い分けにはもってこいです。回路図も送りますので試してみて下され。
(回路図を書くのは初めてなのでちょっと心配です)
Katsumi (TCT管理人 & TCTGP店長)
機種:
’50s Classic Telecaster 改 (Larrycaster)
Fenderが最初にClassicシリーズを始めた頃のレポートです
ヘキ地にあるにもかかわらずアメリカ中からオーダーが来るというMusicOne。 ここのLarryはギターのセットアップ・改造において多くのギターマニア達から絶対の信頼を得ています。
(彼の手がけたテレキャスを「ラリーキャスター」と呼ぶオタクな人も多いです。)
今まで試奏もしないでギターを通販で買うなんて考えられなかったけれど、彼の仕事には非常に興味があったので前から欲しかった ’50s Tele をカスタム・オーダーしてみました。
「メキシコ製だからダメ」という頭の固い人のために:
メキシコ製Fenderのギターは全てのパーツがアメリカ製で、メキシコ工場にはパーツを造る工程は全く無くて塗装と組み立てのみが行われています。アメスタでさえラミネート・ボディのモデルが多かったのにこのモデルはそれがない。しかもBasswoodやポプラ、センではなくちゃんとAsh材を使っています。 イギリスのあるギター雑誌では「Fender Japanよりはるかに上」と評価されていました。
(でも、その後何冊かその雑誌を見たけど、割と適当な決めつけとか、思い込み、間違いの多い雑誌みたいなんで、あんまり当てにならないってオチが・・)
当時メキシコ製のクォリティが上がったためにUSA製アメスタの売れ行きが落ち込んでしまったので、アメスタをアメリカン・シリーズにアップグレードしたという有力な説もあります。
そんな訳でこのテレは私の中では非常にお買い得感が大きいのです。
さて、ラリーとの数回のEmailと電話のやり取りから最終オーダーの内容はだいたいこんな感じになりました:
(1) model : MIM ’50s Classic Telecaster (2) body : Ash (*1) 生音が良く響くやつをよろしく! (3) color : white blonde (4) bridge plate 改造: Master Series Telecaster style vintage tele bridge ベースには52RIのプレートを使って下さい。 あっ、でもオリジナルのプレートは捨てないで送って下さいね。 (5) saddle 改造: 角度付きブラス + 角度付きsteel (steelはオリジナルのを使って)。で、ブラスの方をギターに付けてsteelの方は送って下さい。 私は通常.009 – .042.位の弦を使っていますが、録音する時等は.010を使う時もあります。(*2) (6) 52RI 用の black one-ply 5 screw pickguardを付けて下さい。 (7) あと、オリジナルの白いピックガードの裏とフロントPUの穴の所にラリーさんのサインが欲しいです。えっなんでかって?だってみんなに自慢できるじゃないですか! |
PUについてはどうせ将来交換するだろうとは思ったけれど、これのPUを褒めている意見や記事を見た事があるので、まずはオリジナルのを試す事にしました。Fenderにも確認したけど日本向けモデルのPUはTexas SpecialなのにUSAモデルにはVintage Teleという安物が載っているんです。く・・、なんで?
BODY:
3ピースも2ピースもあるよとの事なので、じゃあ2ピースが欲しいと頼んでおいたのだけど、彼が送ってきたのは・・なんと!1ピース!! こ、こんなのアリか?・・ラッキーすぎる!
white blondeは少し木目が透けて見える塗装なので確認できるんです。最初はトップに継ぎ目が見えないので「オイッ、これまさかMEXスタンダードシリーズ用のラミネート・トップ&バックだったら返品するぞ!」と思ったのだけど、よーく調べるともちろんトップに継ぎ目はなくてその木目がサイドにまで繋がっていて、さらにバックにまで流れている。虫メガネで見ても、光を電球、蛍光燈、太陽光にしても継ぎ目が全く見えない。そーいや電話でラリーと話した時も彼は「なんか継ぎ目見えにくいんだよねー」とか言ってたっけ。あぅうー、ありがたやー。ラリーさん、サンキューね!!
Fenderに問い合わせたら「このギターは1ピースもあり」と確認が取れました。 でもそれって相当稀なケースのはずです。だって楽器屋で結構な数見てるけどそんなの無いですよ。多いのは4ピースだと思います。 |
(ま、だからって生音が4ピースのよりもいいのかって言うと別にそんな事無いし、いい音出したいならこんな所にこだわってるヒマがあったら、よっぽど練習して腕と耳を鍛えたり、いいエフェクターやアンプをそろえた方が効果は1000倍でしょう。1ピースならなんか嬉しいって程度の話です。)
改造ブリッジプレート:
(1)ピッキングの邪魔にならないように下側のエッジが削ってあります。で、削った所がサビないようにクリアーラッカーでコーティングしてあるそう。確かにこれだと大抵の人ならピッキングの邪魔にはならないし、見た目も昔っぽくて良いです。
(こーいうプレートって今はもう珍しくないけど、一番最初にやり出したのは多分このラリーキャスターだと思います)
(2)ネック側に2個スクリューを追加してよりボディに密着するようになっていてサスティーンが向上を狙っています。この改造はボディに穴をあけるので音質の影響も考えてか小さ目のスクリューを使用していますね。
ちなみにこの余分な穴をブリッジプレートに開けないでというオーダーも可能でした。
改造サドル:
正しくチューニングが合うように角度がつけられています。さらに通常より大き目のスクリューとスプリングを使用する事によって安定性の向上をはかっています。
もちろんテレのチューニング合わない問題は解決しているし、角度付きサドルでも弦と弦の間隔がずれてしまうって事も無いです。
(角度付きサドルも今は珍しくないけど、これも一番最初にやったのは多分ラリーさんです)
「ブラスもスティールもどっちも試したいです」と言ったらラリーは「高域をスムーズにして少し甘い音になるブラスから試したら?」と言うので今はブラスが付いています。スティールサドルは将来試すのから別に保管中。
ちなみに弦のゲージによって角度が違うと言うので、いったいどんな計算式、どんな工具でそんなに微妙な設定が出来るのか?と聞いたら訳のわからない専門用語がたくさん返って来たのでここではパスします
あと、彼がやったFenderの正規ゴールドレベル・テクニシャンとしての調整は:
弦高の調整
ナットの溝切り&ポリッシュ
サドルのネジの出っぱっている所を短く切って手を置いた時痛くないようにした
ってとこでした。
ギターを送る時にはソフトケースに入れて、それをFenderの箱に入れて、さらにそれをSquierの箱に入れて送ってくれました。
(届いた時、Squierの文字を見た時は相当ビビりました)
ペグ:
52RIのGotoh製とは違ってただのクルーソンタイプの安物ペグ。別にチューニングが合わないとか弾いているうちに緩んでくるなんて事はないので問題無いです。唯一「やっぱ安物」って感じるのは3弦のシャフトが少し斜めになって付いている所。ま、いっか。
(安っぽいペグの方が50年代当時のクォリティに近いって見方もあったりして)
造り:
評判どうりにこの時期のメキシコ製は造りも塗装も非常にきれい。ただ、一個所だけ文句を言わせてもらえばネックポケットとネックの間のこの微妙な隙間は?という所です。まあこれは、パーツを送ってくるのはFender USAなのでメキシコ人に罪は無いですね。
2019/08追記:
2019年のVINTERAシリーズになるとクオリティが落ちているようです。ネックエンド部が塗っていない個体も確認されています。エンド部は水分の出入りが最も多い所なのでここだけ塗らないというのはちょっと何を考えているのかわかりません。
楽器屋に行ってチェックしたらUSAの52RIもカスタムショップのギターも「妙な隙間」がありました。そもそも本物Vintageはもっと酷い隙間があるから再現しているつもり? |
ネック:
質問があったアメスタとの比較です
(あ、私はアメスタのテレも持ってますよ)
アメスタは’50sより薄いシェイプ。で、’50sはアメスタより厚くてそれを丸っこいUシェイプにしているので「ずんぐり」した感じがします。
ナットの幅はアメスタより少し狭いです。でも21フレットの所では幅は同じ。 フレットワイヤーは細くて指板のRがキツ目。基本的にはVintageのを再現しています。
音:
(注:好みの問題なのでくれぐれも私個人の意見として読んで下さいよ)
このPUってちょっとイマイチかな?ギターそのものの素材が割といいだけに惜しい。
(上にも書いたようにUSAモデルはTexas Specialじゃないんです)
何が気に入らないかと言うと:
(1)オレはテレキャスだ!という主張が弱い。「普通のエレキ・ギター」として見れば充分使える音だけど、いかにもテレキャスらしい音が出てくれないと何故今自分はこんなカッコ悪い形をしたギターを持っているのだろうか?と考え込んでしまいます。
(2)PUセレクターをどこに変えても似たような音しかしないです。なんのために自分はセレクターをカチカチやってんのか?と悩んでしまいます。まっとうなテレキャスならばそれぞれのポジションで全然違う個性的な音を出してくれるのに・・。
と言う訳で、このPUは絶対に交換する予定です。しかしこれと比較するとアメスタってやっぱ偉大だわ。セッティング次第でいろんな「使える音」が出せるし、しかもテレキャスにしか出せない独特の音というのもちゃんと持っています。
第二部:
重箱チェックぅ!!
まあ、これは「XX年のリイシュー」ではなく「50年代の再現」と適当に言っているので、じゃあどこがどう何年のスペックなのかをつつき回してみました。オタク指数高めのチェックなので勇気ある人だけ読み進んで下さい。
>閲覧注意! ここより先一般人立ち入り禁止<<<
(1)
Fenderのロゴのこの位置は56年までのもの。スパゲッティの形はアメスタの物よりは本物に近い
(でも違うんだ、これが。ちなみに52RIだって違う。ま、ここ読んでるあなたなら当然一目見てわかりますよね。)
(2)
トラスロッドのプラグがもう少し短い楕円として見えないと違う。理由は説明するまでもないですよね(でもいい線いってる方だと思う)
(3)
12フレットのドットの幅は50年ー52年もの
(4)
PU・スイッチ・Toneの配線は67年以降の現代風
(5)
ドーム・ノブはかなり丸いので53 – 56年もの
(6)
Top Hatではないので 50 – 56年
(7)
このSteel サドルは50年代中期
(8)
塗装?全然違う。言うまでも無い
(9)
各種ツールマークやテンプレートの欠陥は再現する気さえ無し。
(ってゆーかカスタムショップでさえもちゃんと再現出来ていない)
・・・今回はこれくらいにしておきます
Katsumi
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