テレキャス・ユーザーを検証する

非常に個性が強いと言われるテレキャスター。このギターのユーザーとはいったいどういう人達なのかを科学的に検証する。

動機

「このギターの独特の音が好きだから使う」というのが、多くのテレキャス弾き達の共通の動機だ。

簡単に「独特の音」と言う人もいるが、「独特」と分かるためには当然、比較する他のギターの音も知っていなければならない。 ギター個々の音のバラツキがあるため、5本や6本知っているぐらいではお話にならないのでおととい来て欲しい 。そういった固体差を踏まえて「ストラトはこんな音」とか「レスポールはこんな感じだけどオール・マホだとこう来る」、「同じハムPUでもSGだとこんな傾向」等の違いが感じ取れる感性と経験・才能を持った人のみがテレキャスの個性的な音を正しく認識できるのだ。

私はこれらの人々を選ばれし民と呼ぶことにしている。

「選ばれし民」か・・ふっ、まいったな・・  

うん・・良かったですね・・


美的感覚

次に、テレキャスは「どしろうと」とか「お子様」から見ると非常にかっこ悪いギターであるという事実を、テレキャス弾き達はどのように受け止めているのかを考察する。この、いかんともし難い障害をふまえ、それでもなお使い続けるからには相当な理由があるはずだ。

以下に主な4つの理由を考えてみた。

(1) 音が全てさ、 かっこなんてカンケーないね。

(2) おもいっきり惚れ込んで、「あばたもエクボ」状態になっている。

(3) えー?そんなことないじゃん。かっこいいじゃん!

(4) 好きなミュージシャンが持ってるから・安いから

では、それぞれのケースを解説しよう。

明らかに(1)の人が最も純粋な芸術家である訳だが、彼らがこの状態にとどまることは非常に稀で、通常は(2)のステージにまで移行するのに決して長くはかからないという。

(2)は既にテレキャス道の黒帯有段者だ。オールドのノイズさえもが魅力の一部に昇格し、3wayブリッジによるチューニングの狂いも全く気にならないという(*1)、DEEPな世界の住人である。

(*1)
この感覚はピアノの巨匠ホロビッツや、クラッシック・ギターの神セゴビアがお年を召されて、ボロボロな演奏会をしても「ぶらぼぉぉーっ!!」と叫んでしまう宗教体験によく似ている。そう、人はそこに神を見るのだ。

最初から(3)の人は心配いらない、というよりその独特の感性をむしろ誇るべきだ。素敵な人生でありますように。

(4)の人は動機が不純なため残念ながら 「選ばれし民」と呼ぶ事は出来ない。しかし今は小市民でも、とにかくテレキャスに触れたことによって将来覚醒する可能性と資質は与えられたと見て良いだろう。

人格

「ヨークシャーテリア好きに悪い人はいない」というのは周知の事実だが、果たして「テレキャス好き」はどうなのだろうか?

残念ながら、多くの証拠がネガティブな印象を確固たるものとしている。 そう、いわゆる「不良」が多いのだ。女好き、酒好き、ギャンブル好きな数多くのブルース・メン達のせいか、キース・リチャーズやブルース・スプリングスティーンのせいなのかは特定できないが、優等生という言葉はテレキャスとは全く無縁のもののようにさえ感じられる。

ここで、以下の表を見ていただきたい。 これは、ある信頼出来るアンケート調査結果に基づいたチャートなので参考にしてほしい。

アコギに関しては世代によってかなり印象が違うようだ。 特に、60年代の終わり頃から70年代初期にかけて角材を持って暴れていた人達から見ると、もっとずっとテレキャスに近いものらしい。

見るとわかるようにやはりFenderが下位を独占している。ステージでギターに火をつけたり、スピーカーにヘッド突っ込んだり、ギターそのものを壊したりするのは必ずFenderギターだという点からだけでも異論を唱える者はいないだろう。

(なお、最下位に「クラリネット」という回答も多数寄せられた。当然と言えば当然だが、ギターではないので割愛させていただいた)


テレキャスってなんてゆーかこー・・

・・・・・

一種の宗教?


(このコーナーでは別の切り口からテレキャス・ユーザーを検証してくれるライターを募集しています!)

って書いておいたら本当に投稿メールが来ました!

by Kazuki Watanabe

「テレキャス・ユーザーを検証する」を読んで高校生の頃のことを思い出しました。

私もガキの頃は、テレキャスってなんてかっこ悪いんだろうと思っていました。

高校2年の時に初めて買ったギターが、中古のグレコのレスポールカスタムもどき。ねじ止めネック、空洞アーチドトップという、いかさまレスポールでしたが、ジミー・ペイジにすっかりやられていたガキにとっては、宝物をゲットした気分でした。何しろギターを買う前は、テニスラケットに紐をくくりつけ、肩からぶら下げて、ジミー・ペイジになりきっていたんです。

当時の私の家は、鉄筋とは言え、集合住宅。近所迷惑を考えると、レコード鑑賞は、ヘッドフォンまたはちいさ~な音量で、ひそか~に楽しまなければいけないはずでしたが、なにしろ高校2年生。社会的にも内面的にも未成熟でした。ステレオのボリュームは、12時~2時の位置。大音量でLed Zeppelin IVなどを鳴らし、疑似ギター(テニスラケット)をかき鳴らし、振り回していました。

そんなわけで、たとえレスポールもどきであっても、たとえレスポールカスタムタイプであっても、ラケットよりもはるかに重い、本物のギターは、私に、ジミー・ペイジとの共通点を与えてくれたのです。

当時Led Zeppelinにどんどんのめり込んでいった私は、物事の常というかなんと言うか、さまざまなツェッペリンに関する文献や論文、学術資料を研究するようになり、ジミー・ペイジがテレキャスを使っているという衝撃の事実を知ってしまったのです。当時の私にとって、テレキャスは「ロックのギター」ではありませんでした。というか、最初に書いたとおり、それは「かっこ悪いギター」だった。

ストラトは、「かっこいいけどガキくさいな」と思っていました。当時は、「パープル派」と「ツェッペリン派」という2つの派閥がありました。
あ、もちろん、「ロッド様々」とか「女王様」などの派閥もありましたが、とりあえずここでは、ハードロックの王道的2大派閥に話を絞ります。

「ツェッペリン派」のパープルにたいする認識は、かっこいい曲もあるけど、ガキ向け音楽だと…。スピード感だけの浅い音楽だと…。で、ストラトはその象徴だったのです。崇高で奥の深いツェッペリンを象徴するのは、もちろんレスポールです。

で、テレキャス…。とにかくかっこ悪い。安っぽい。じっさい安い。高校2年生の私は、テレキャスにかける救いの言葉を持っていなかった。

その後、パンクやニューウェーブが出現し、テクノが、ハウスが流行り、私自身の音楽の好み、そして楽器の好みも、変化してきました。

1995年に、テレキャスターを買いました。いったい、いつ頃から、テレキャスが好きになったのか、自分でははっきりと覚えていないのですが、弦を買うために入ったギターショップで、出逢ってしまったのです。

【まとめ】

●第1段階
テレキャスターは、ガキの目で見るとかっこ悪い。

●第2段階
キース・リチャーズを、一度でもかっこいいと思うようになると不良っぽい印象の、「チープでかっこいいギター」に見えてくる。

●第3段階
じっさい自分のものになって、毎日触れていると、なぜか、とてもスタンダードな形(音も)に見えてくる。第2段階で「チープ」と感じていた部分が、「シンプル」と感じるようになる。あげくの果てに、不良っぽいどころか、「大人のギター」という認識にいたる。「いかにもかっこいい」じゃないところが、「かっこいい」のだ。

というわけで、自己検証となってしまいました。きりがないのでそろそろやめます。

by Yudai Nakamoto

テレキャス使いには不良が多いとKatsumiさんの証言どおり、私も女好き、酒好き、ギャンブル好きな人間です。ですが、このことについてちょっとだけ意見があります。

テレキャス使いが不良
というだけではなく、
テレキャスが弾き手を不良にする

ということもありえるのでは?というものです。というのも、自分で言うのもなんですが、中学時代私は優等生でした。テストで学年トップということも多々ありました。ですが、高校生になりテレキャスを使うようになってから勉強はしなくなり学校で麻雀をしたりと優等生のかけらもなくなってしまいました。友人はテレキャスのせいではなくて自分のせいだろと言いますが私はテレキャスのせいということにしています!私のテレキャスにはビグスビーのアームはついていませんがこれもテレキャスの呪いなのかもしれません…。

(ビグスビーの呪いについてはここを参照

今私はレスポール、’65年製のES-335(これ私の自慢です)、パーツをかき集めて作ったストラトなど、ギターが増えテレキャスを使う機会が前よりは減っていますがそれでもここぞという時にはやっぱりテレキャスです。テレキャスさいこー!!

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