11才のLeonora SpangenbergerちゃんがバッハのBWV998フーガを弾いてます
まあ、可愛らしい!
このくらいのテンポだと優しい旋律がより際立ちますね
上手いな。こんな小さい子にこれだけ弾かれると「左手がキツいから・・」なんて言い訳が出来なくなっちゃうぞ
ずいぶん昔にJason Vieauxがこの曲をちょっとだけ解説していました。残念ながらそのビデオがもう見つからないので最初の出だしを譜面で説明します。こんなゆっくり*のほほーん*とした曲にも驚くべき構造、仕掛けがあったんです。
シンプルなソプラノ単音から始まってすぐにアルトと一緒に2声で進行して行きます。 その後テナーが加わって3声になり「えー ムズいな」と思っていると、ドSなバッハは更にベースを投入して4声にしてしまいます。プレーヤーは4つの旋律の流れを意識しながらそれぞれの解釈で弾く必要があります
(いつも同時に4声ある訳では無く、時にはあるパートが行方不明になったりひょっこりお帰りなさいをしたりはします)
謎に思えるのは聴いただけだと
「最初のイントロ2小節はいったい何?」
そして譜面を見て見ると
「え 3小節二拍目はソプラノじゃなくてアルトなの?」
って事です。
凡人の自分にとっては最初のイントロ2小節と3小節目の最初の「レ」を無しにして小節線を二拍分ずらして始まった方が自然って気がしてしまいます。でもそうすると3小節二拍目がアルトだと4人で合唱した時にソプラノの歌いだしのタイミング難しいからこの音はソプラノパートって事にしないといけなくなっちゃう。バッハが意図したようにこの音がアルトならやっぱり最初の2小節はソプラノのメロディーのつながり的に必要になってくる。確かにその方が途中からアルトが入って来てカッコいいし。うーん・・なるほど。じゃあ最初の2小節って「イントロ」じゃなくてソプラノパート本編だったのね。コードとリズムがあってメロディーがあって・・みたいな和声的な音楽に慣れている自分にはこんな発想絶対に出来ないわ・・
でも4声を同時に意識して弾くのって無理かも?私って集中出来るの二声が精一杯ですよ
例えばご飯とおかずが同時に口の中に存在する状況・・・
うん、これなら普通に大丈夫ですけど・・
ここに味噌汁が進入してきたら・・この時点でもう訳わかんない?
四声だから更にデザートのアイスを投入し全てを同時に味いなさいって・・・
・・・・・・
無理無理無理!!
・・・
・・・・・・・
まあ、確かに普通の人間が一度に本当に集中出来るのは1つの事だけらしいからな。4声とかそれ以上が可能なのはもう指揮者レベルの変態だけかもな
そーいえば、天才中の天才と言われるノイマン博士は一度に何十もの事を同時に思い浮かべて集中出来たという話だ
そんな宇宙人には是非バッハを弾かせたかったです
女性の脚とスカートの中に異常に興味があったという・・
あー・・・じゃあその天才が集中している何十の中には必ず脚とスカートの中が入ってたんですよね?
・・・・・・
いくつかVideoを貼っておきますね。
まずはブリーム。1:30からプレリュードで4:05からフーガです
Judicael Perroy
フーガは3:05から。こんなに速く弾くとは・・それに相当上手いですよ。各声部が高いレベルで独立して歌っているから音だけ聴くと一人で弾いているとは思えません。え、髪型?
しかしアームレスト流行ってるよな
機材の話はいいですから
これはリュートで。本来リュートかクラヴィーアの曲だから、もしかしてこれが原曲?
BWV 998 Bach, Johann Sebastian Instrumentation: Lute or Clavier
って え? ちょっ・・「リュートかクラヴィーア」って・・・何?そのアバウトすぎる指示?
あ、バッハってあれだけ完璧、精巧、緻密な音楽を造るくせに意外に適当って言うか自由な解釈をプレーヤーに許していて曲に楽器の指示さえなかったり、「この辺はアドリブでいーよ」とか「装飾音?そんなの好きにして」「ここ無理?じゃあ適当に考えてそれらしく弾いて」みたいな作品もあるんですよ。当時のジャズメンとかロックンローラーとして尊敬している人も多いんです
ちなみにこのリュートはエフェクトをかけているから美しい音に聴こえるけど、「素」のリュートがこうだと思ったら大ケガするのだ。実際、綺麗な音がするリュートは滅多に無いぞ
そもそもリュート自体が滅多に無いです
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